昨日のデニム繋がりで、ずいぶん以前に投稿したミシンのお話し…
を少し編集し「Union Special 講座」として再投稿致します。
当店で使用してます「Union Special/ユニオンスペシャル 43200G」
1950年代前半?のアメリカ製です。
このブラックカラーはユニオンスペシャルの中でも最古になるようで、
(ベーシュやアズキ色などもあります。)
現在は入手困難なコレクターズアイテムとして
かなりの高値で取引されてると言う噂さです…?
かなり貴重です!
当店も20年前のオープン時に購入したのですが、なかなかの高値でした…
しかし、オープン以来故障知らずで、現役バリバリよく働いてくれてます。
で、なんのミシンと思われてる方…
主にヴィンテージデニムなどの裾あげ、
チェーンステッチ(カン縫い)専用ミシンなんです。
こんな感じ~↓
縫い代 7mm、カタン糸 金茶20番、カタン糸 バナナイエロー30番で縫製
で、なにがいいの~?と思われる方もいると思いますが…
このミシン、ラッパと言う部品により勝手に三つ巻きに
巻きながらテンションキツく縫えて、ですね…
その為、穿き込んで何回も洗ううちに斜めにヨレてくるんです。
それがこちら↓
そしてヨレた状態のまま斜めにアタリがどんどん出て来て、
俗に言う、「パッカリング」「いいアタリ」感が出る訳なんです。
この独特の「捻れやアタリ」感はユニオンスペシャルにしか出せないと言われています
(気にする人だけ気にして下さい。)
さらに、カタン糸(綿糸)を使用することにより
デニムの色が落ちていくのと同じように縫い糸も
自然な感じで色落ちして馴染んでいきます。
うるさ方はこのチェーンステッチを好まれる訳です!
しかし昨今、アンクル丈やらレングスサイズを選べるものまで登場してる状況で
すっかりこのミシンを使う機会が減った今日この頃…
当店では持ち込みの丈上げも承っております。
お申し付け下さい。
※必ず洗濯してからお持ち下さいませ。
洗濯してないモノは店主に断られる場合がございます。
ご注意下さい。
余談…
1950~60年代に、当時のアメリカ人が
デニムの裾のアタリなど考えて、このミシンを作った 訳もなく、、
要は、いかに生産効率を上げるかを考えて開発されたんだと思われます。
実際、このミシンは慣れると非常に簡単で早く縫えるんですよね。
合理主義の国アメリカならではの名機です。
以上、D.Rの「Union Special」講座でした。
by.店主
日本が誇る「BROTHER」のお話しは、またそのうちに…